成年後見制度について 雪渕行政書士事務所

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解説(終活関連):成年後見制度

成年後見制度とは

認知症の方、知的障がいのある方など、判断能力が十分でない方の日常生活を、 ご本人の意思を最大限尊重しながら、支援していく制度です。

判断能力が低下すると、これまでは何事もなく行えていた以下の様な行為が難しくなってきます。

  • お金、不動産をはじめとする財産の管理
  • 市区町村、各種行政機関から届く書類への対応、窓口へ出向くこと
  • 病気治療のための入院等の手続き、買い物等各種の契約行為

特に老齢により介護保険を利用した介護施設の利用シーンは、高齢化社会が進んでいる日本ではどの家庭でも今後想定して、備えておく必要があると言えるでしょう。

その他、オレオレ詐欺や各種悪徳商法に騙されないかと不安な生活を送ることのないよう、成年後見制度の利用によって、ご本人を代理して契約したり、財産管理をすることによって支えていきます。

成年後見制度の種類

本人の判断能力が十分にある間に、本人が信頼できる方と公正証書であらかじめ「契約」を締結しておく任意後見制度と、 すでに判断能力が低下している場合に利用する法定後見制度があり、さらに、法定後見制度には、後見・ 保佐・補助の3つの類型があります。

(1)法定後見

■3つの類型

補助→保佐→後見の順で判断能力が不十分と扱われます。

種 類 本人 後見人 本人の判断能力
後 見 成年被後見人 成年後見人 常に欠けている状態
補 佐 被補佐人 補佐人 著しく欠けている状態
補 助 被補助人 補助人 不十分であるものの軽度な状態

■成年後見の申立てができる人

本人、配偶者、四親等以内の親族など、一定範囲内の者。身寄りがいない場合などは市区村長ができます。

■後見人になれる人

申立人が希望を述べることはできますが、法的に複雑な対応を必要とする局面が想定される場合は司法書士等が家庭裁判所によって選任されることが多いようです。なお、法律で後見人になれない人(未成年者等)が決められています。

■家庭裁判所による監督

後見等が開始した後は、家庭裁判所が後見人等を監督します。後見人等は家庭裁判所に対して、定期的に報告を行なうことが義務付けられています。また、必要に応じて、後見人等を監督する成年後見等監督人が家庭裁判所で選任されます。

■後見等の費用の負担

本人の負担とすることができます。その場合には、本人の財産から支払われることになります。

(2)任意後見

■法定後見との大きな違い

  • 本人が元気なうちに将来自分が判断能力が低下した時に支援を依頼する人と任意後見契約(委任契約)を結びます
  • その契約の内容は本人の希望、意志で決めることができます
  • 本人の意志による契約であるため、本人により任意後見契約を解除することもできます

■契約内容の公正証書化

本人と任意後見契約を結んだ後見人は、契約で委任された範囲内で財産管理や各種契約締結行為を本人に代理して行います。そして任意後見の契約は、公証役場で公正証書によって結ばれるものと決められています。公正証書にすることで、契約内容が法的に効力のある内容であることが確認できますし、契約が公正証書の形で公証役場に保管されることになり安心です。

なお、支援をお願いする代理行為の範囲は、代理権目録として具体的に列挙記載することになります。

■家庭裁判所による監督

任意後見が開始する条件として、必ず任意後見人を監督する人(任意後見監督人)が選ばれます。この任意後見監督人を通して、任意後見人が任意後見契約に定められた代理行為をきちんとご本人のために行なっているいるか、家庭裁判所が任意後見人を監督します。

■後見等の費用

委任契約の中で報酬として定め、本人の財産から支払うことになります。

■任意後見の種類

任意契約を結ぶときの本人の状態によって、3タイプあります。いずれも本人の判断能力が低下する前に締結しなければなりません。

種 類 内  容
移行型 契約締結後、本人の見守りを行ったり、契約に基づいて、本人の委任代理人としての業務を行い、本人の判断能力が減退した場合には、任意後見監督人選任の審判を申立てし、任意後見監督人選任後から任意後見人としての業務を行います。
速攻型 任意後見契約締結後、期間を置かずに任意後見監督人選任の審判を申し立てるため、契約締結時の本人の判断力が問題になる場合があります(本人が契約できる状態にあったかどうかが怪しい)。
将来型 任意後見契約締結後、本人の判断能力が減退した際に任意後見監督人選任の審判を申し立てる。この場合、契約締結時はしっかりしていたが、将来判断脳力が低下したらよろしくねというタイプなので、将来支援をする人が本人の状態を定期的に確認することが必要で、万が一疎遠になったり、仲が悪くなった場合など有効な任意後見を開始することが難しくなる。

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